イクジエイゴ

日々の育児のなかで子供にいかに英語を教えるかを考え、ご紹介するブログです

はじめに

はじめに

 

 はじめまして。K's Momと申します。このブログを始めるにあたって、なぜわたしが息子の英語教育に興味を持ち、息子がどのように英語を使えるようになるかを目標にしながら英語を教えているかを簡単にご説明したいと思います。

 

 わたし自身は英語を勉強し始めたのは中学校1年生からで、その時点ではアルファベットを全部知っていたかあやしいくらい、英語についてはまったく早期教育は受けていませんでした。同居していた祖母がアメリカで幼少時代を過ごし、日常会話には苦労しない程度の英語力があったため、子供の頃から英語へのぼんやりした憧れはあったものの、両親はまったく英語には無関心で、児童英語の教室などには一度も行ったことがありませんでした。そんな状態からスタートして、紆余曲折を経て、最終的にはアメリカの大学院へ留学し、英語教育の修士号を取得するまでには長い道のりがありました。日本の文法とリーディング重視の英語教育にどっぷりとつかっていたため、英語の学力を上げていく段階で、リスニングやライティング、スピーキングの能力を上げるために、自分にあった勉強法を工夫して模索していく過程は、様々な工夫と苦労の連続といっても過言ではありませんでした。そして英語教師としての経験を持ち、英語教育の仕事に携わる今現在も、終わりのない英語学習の日々を続けています。

 

 母国語としてではなく、外国語として言語を学ぶことを第二言語習得といいますが、この学問領域にはさまざまな理論があり、わたしも大学院でそれらの理論を学びながら、自分の英語学習経験と照らし合わせて、どのような方法が一番効果があって、楽しくて、英語を実際に使用するのに近道なのかをつねに考えてきました。幼少期に英語が話されている国に滞在し、たくさんの英語のインプット(耳で聞くこと、読むこと)とアウトプット(話すこと、書くこと)をする機会に恵まれた環境で生活することができれば、それほど苦労をせずに英語を使用することができるようになるでしょう。(もちろん、このような形で英語を習得した人々も、英語力のレベルをあげるためには努力を重ね続けなければなりませんが。)しかし、そのような機会を持つ人はごく少数です。息子が幼少期に英語圏の国で生活する可能性もありません。でも、息子にははやいうちから英語に親しんでほしい。もう少し欲をだせば、英語の使用に違和感を感じないレベルにまで英語を習得させたい、というのがわたしと夫の強い願いです。そこで、我が家では、家庭の中で息子が英語に親しみ、習得することができる環境をつくることを目指すことにしました。英語の発話を理解し、話し、文字を読み、書くというレベルまで英語力をなるべく早い段階で身に着けるための教育をスタートすることにしました。以上のことが我が家で英語教育を始めた背景と動機です。

 

 2020年からは小学校の3年生から英語が必修の授業となり、英語も国語や算数のように、子供たちの日常に深くかかわるようになってきました。大学の受験においてもリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの四技能を重視する試験がこれからますます増えてくると予想されています。英語教育はまさに今日本において新しいステージへと突入しようとしています。しかし、わたしたち夫婦が英語を息子に学ばせたいと思うのは、学校の授業で苦労しないようになったり、大学受験に対応できるようになってほしいという理由からだけではありません。試験で高得点を取るための英語学習と受験が目的化してしまうことは、英語を学ぶ過程をつまらない無味乾燥としたものにしてしまう危険性を常に秘めています。わたしも中学校、高校での英語学習を振り返ると、とてもつまらないものだったなと思いますし、よく途中で嫌にならなかったなと不思議に思うほどです。わたしは1975年生まれですが、わたしの世代の英語教育というのは、英語の使用と英語の学習の過程を分けてしまう、手ごたえを感じにくいシステムだったと思います。わたしは息子には同じような英語学習経験を味わってほしくないと思っています。英語学習は、英語学習の過程事体-受験や資格試験で高得点を取ることだけが目的になってはいけないと思います。いかに英語を使うかということが主眼になっていなければ、子供たちにとってそれはおそろしくつまらない、辛い経験になってしまうのではないか、というのが30年近く英語を学び続け、教える機会もたくさん持ってきたわたしの感想です。

 

 このブログでは、我が家で息子に試した英語学習方法のなかで、現在3歳の息子が特に楽しそうに学んで(遊んで)いた方法、そして何よりも効果があった方法論を少しずつ紹介していきたいと思います。息子の英語教育をスタートしてからまだ1年あまりで、まだまだ息子の英語人生は始まったばかりですが、世の中には日本語と英語という二つの言葉があるということを息子はしっかり認識しています。その二つの言葉の間を行ったり来たりすることは息子にとっては、「おもしろくて、なんだか楽しいこと」になりつつあります。我が家の日常の英語教育は、英語を特別に得意とするお母さん、お父さんではなくても実践できるものがほとんどです。よく言われることですが、中学校三年間に学ぶ英語だけでも会話はかなり成立します。そういったもともと持っている英語力に加えて、子供に英語を教える過程で、大人も一緒に新しい知識を得て学んで行こうという姿勢はとても大事だと思います。そのほうが大人にとっても楽しいですし、何よりも英語は学習者が英語話者との対話・相互作用(インターラクション)のなかで学ぶことが、一番効果的であることが分かっているからです。お母さんとの会話のなかで、言葉を繰り返したり、意味を確認したり、わからない言葉の意味を訊いたりといった対話を通して、子供は英語をより深く学ぶことができます(Long 1983)。ほんの少しの時間でも、大好きなお母さん、お父さんと英語で短い会話をしたり、言葉を覚えたり、本を読んでみたりしながら一緒に考えたりすることが、子供にとっても満足感があり、学びやすい環境となるはずです。

 

 自分が好きな方法だから、息子が好きな方法だから、という理由だけで学習方法をご紹介するのは、いささか説得力がなく、無責任なものになってしまう可能性があるので、なるべく、最新の英語教育のフレームワーク(枠組み)や理論をベースにした指導方法もご紹介できればと思っています。使う教材などは、日々いろいろなものを探している状態で、すぐに効果があったもの、3歳の息子にはまだ難しすぎたものなど様々です。意外なものが英語を覚えるのにとても役にたったという経験などもご紹介できればと思っています。

 

 

References

 

Long, M.H. (1983) Native speaker/non-native speaker conversation in the second    language classroom. In M.A.Clarke & J. Handscomb (Eds. ) On TESOL ’82: Pacific perspectives on language learning and teaching (pp.207-225). Washington, DC: TESOL.

 

 

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