イクジエイゴ

日々の育児のなかで子供にいかに英語を教えるかを考え、ご紹介するブログです

幼児が英語の音に慣れるために Part2 朗読CDを使ってみる

幼児が英語の音に慣れるために Part2 朗読CDを使ってみる

 

 息子が英語の歌に慣れてくると、詩のような言葉で書かれた絵本を使って英語の音に慣れる方法を取り入れてみることにしました。2歳9か月くらいから始めたのは、以前からたまに英語で読み聞かせをしていたDr.SeussによるGreen Eggs and Hamの朗読CDを絵本を見せながら聴かせることです。Dr.Seussのシリーズは英語圏で英語を学ぶ幼児が使う定番の教本なので少し難しいですが、絵も内容も面白いので子供は興味を持ちやすいと思います。朗読CDにはページが変わることを知らせる音が入っているので、息子は聴きなれてくるとちゃんと音声と同時進行しながらページをめくることができるようになりました。かなり文字の多い本なので、おそらく挿絵と耳から入ってくる英語の内容をリンクさせながら、ページをめくっているのだと思われます。耳から入ってくる英語のなかから瞬間的にわかるものを選んで、絵との結びつきを考えるというのは、英語を聞き取るためのとてもよい訓練になっている気がします。

 

 英語の音に慣れさせるのは大変ですが、少しずつでも続けているとその効果がちょっとずつ表れくる気がします。息子にフォニックスを教えるためにGolden Booksの “Alphabet Skills (Kindergarten) ” や“Phonics (Grades 1-2) ”を一緒にやっているときでも、英語の音に対して少しずつ理解が深まっている実感があります。例えば “C・C・Cake”と発音するといくつかのアルファベットのなかから“C”を探し出すアクティビティなどが素早くできるようになってきました(3歳5か月の時点)。地道な努力ですが、息子には少しずつ楽しみながら英語の音に慣れて言ってほしいと思っています。

幼児が英語の音に慣れるために Part1 歌を通して音に慣れる

幼児が英語の音に慣れるために Part1  歌を通して音に慣れる

 

    日本で幼児に英語を学ばせるときに一番難しいことのひとつに、どのように英語の音を学ばせるかということがあると思います。近年の英語教育においてはフォネミック・アウェアネス(phonemic awareness)という理論が重視され、英語圏の多くの教育現場で取り入れられています。話し言葉を通して英語の音をよく耳から学ぶことが英語を正確に読む能力の基礎になるという考え方がこの理論の主旨です。(Adams,M.J. 1990)

 

 我が家ではフォニックス学習用のDVDを見せたり、サイトワーズを覚えるための絵本を読み聞かせたりすることで音の学習を行っていますが、それ以外にも息子が英語の音に触れる機会を様々な形で作っています。ここからはここ1年ほど行っていて効果があったと感じた方法について紹介していきたいと思います。

 

 みなさんも日常的によくいろいろな場面で利用されていると思いますが、You Tubeには膨大な英語コンテンツがありインターネットに接続さえできればただで英語を学ぶことができるので、うまく活用することはとても有効だと思います。息子が1歳3か月になったころに、You Tubeのなかに “Super Simple Songs”(DVDも出ています)を見つけ、英語圏でとても有名な童謡(例えば“The Alphabet Song”や “Twinkle,Twinkle, Little Star”など)をよく聞かせていました。 “Wee Sing”という英語圏の童謡が入っているCDをよくかけたりもしていました。その効果もあってか、いくつかの歌は暗記して歌えるようになりました。このくらいの年齢というのは面白いもので内容がわからなくても耳で音を覚えてそのまま歌ってしまうこともできます。これはこの時期に特徴的な能力なのだと思います。ただ丸暗記しているだけなので、しばらく歌を聴かせないとまた忘れてしまいます。もっと成長して2歳6か月~3歳くらいで歌を聴かせると、歌の内容を理解しようとしたり、書かれたアルファベットの音との関係の中で歌を意識するようにもなってきました。

 

References

Adams,M.J. (1990) Beginning To Read: Thinking and Learning about Print. Cambridge: MIT Press.

 

母音(A, E, I ,O,U)をフックにして3歳児にスペリングを教える

 現在3歳5か月の息子に英語のスペリングを教えるなかで、新しいこつのようなものに気付いたのでお伝えしたいと思います。

  

 これまでにもブログのなかでお話ししてきましたが、我が家ではなるべく早い時点で英語の音と文字を結び付ける努力をしています。そのために絵本やカード、DVDなどを使って耳で聴いている音と書かれている文字の関係性について、幼児にわかるように工夫をしながら教えています。その一環として、お風呂にアルファベットの表や壁に水で張り付けられるようなアルファベットのタイルのようなものを壁に貼り付けておいて、お風呂に入ったらいつでも遊べるようにしてあります。フォニックスを教え始めてから、息子は文字を並べて単語にするという遊びを気が向いたら行うようになりました。わたしが “How do you spell DOG? D・O・G, right?”(「DOGってどう並べるんだっけ?D、O、G、DOGだよね」)というように教えると、単語を自分で並べます。でも、自分から並べられるようになるまでには時間がかかりそうだなと思っていました。

  

 母音“A, E, I ,O,U”がそのほかの文字(子音)を結び付けることで単語ができるということを教えると、単語を作ることが楽になるのではないかと思い、3歳すぎからこのことを強調して教えるようにしました。繰り返し教えているうちに息子は “A, E, I ,O,U”は他のアルファベットとは違う特別な役割があるということをはっきり認識し始めました。それ以来、息子はお風呂に入ると“A, E, I ,O,U”だけ壁の一か所に分けておくようになりました。そこで、ある遊びを思いついて始めました。例えば “D・O・G”という単語だったら、まず“D,D,D”と発音をし、次に“G,G,G”と発音します。そうすると息子はなんとか音をたよりにDとGのパネルを探してきます。次に、 “Where is O・O・O?”(「(DとGを結び付ける)Oという音はどれ?」)と訊くと、息子はOを探し出します。これを始めるようになってから、息子は英単語の文字の並び方には「子音+母音+子音」のようなパターンがあるのだと理解するようになってきました。おそらくこの知識によって、「サンドイッチの法則」のようなものをぼんやりと理解し始め、英単語の並び方への興味を膨らませはじめたように思えます。ある日“SUN”を並べさせようとして、 “S,S,S”と“N,N,N”と発音すると、息子は「SUN(のUという音)はAじゃないね」と言いました。このように、スペリングを意識させるとフォニックスにも理解が深まるので、このようなエクササイズはとても有効だなと感じました。

3歳の息子の英単語の学び方

 息子が2歳6か月くらいのときからフォニックスを教え始め、英単語と音の結びつきに気が付くように努力してきたという話を以前に書きました。その後も絵本などを読みながら単語を指さして一緒に発音したり、なるべく文字と音を結び付けられるように教えてきましたが、どのくらい効果があるのかはすぐにはわかりませんでした。現在(3歳5か月)も息子のフォニックスの勉強は継続中ですが、いくつか面白いことに気が付いたので、ご紹介したいと思います。

 

 3歳2か月くらいになってから、フォニックスを教えるための一つのツールとしてEurekaのWord Tilesというものを購入してみました。このタイルは名詞、動詞、前置詞、代名詞などから成り、160のカードが入っています。単語を並べて文章にする練習もできます。このカードを使って、例えば“chair”というタイルを見せてから椅子のところに持っていかせたりして、ものの名前をしっかり文字と音の両方で覚える訓練をしようと考えて使い始めました。しかしながら、単語だけ書いてあるタイルを息子に見せて発音させようとすると、絵と一緒に見る場合は発音できていた言葉も発音できないことがわかり、やはり英語で文字を読むことはまだ無理なのだということがわかりました。(この時点で、ひらがなをゆっくりと読むことはできるようになっていました。)

  

 英単語を読めるように指導するにはなにか工夫が必要だなと思い、いろいろと試行錯誤を繰り返しました。しばらくして、ドリル形式の練習帳Golden Booksの “Alphabet Skills”“Phonics(Grades 1-2)”を1日1ページずつくらい始めてみました。そこで面白いことが分かりました。 例えば、“Alphabet Skills”のなかには、コップの絵が描いてあって “Cu_”の空欄のところに“b,n,m,p,t,x”の中から一つ単語を選んで入れてみるというアクティビティがあります。息子にまず “What’s this?”といって絵と“cu_”の文字を指さして訊いてみると、少し考えてから“cup”と言い始めました。それから、空欄のところを指さしてわたしが “p,p,p”とフォニックスで発音すると、息子は“cup”と言って、並んでいる文字の中から “p”を選びました。つまり、絵と空欄のある英単語、そして音の補助があれば“cu_”を読んで、空欄に小文字の“p”を選ぶことができるのです。

  

 単純に英単語を丸暗記で覚え込ませるよりも、絵や空欄のある英単語、音など、単語のイメージを膨ませるような補助を使えば、英単語の文字と音の関係を理解して英単語の理解が深まっていくことがよく分かりました。このことはもう少し年齢の上の学習者の場合にもあてはまるのではないかと思います。

 

2歳の息子が英単語を理解し始めるまで

二歳の息子が英単語を理解し始めるまで

 

 息子がフォニックスを少しずつ学び始めた段階で、まだ早いかなと思いながらも、文字がつながると言葉になるということを教えたいなと思うようになりました。耳で聴いて思えている音と、実際に書かれた文字が一致しているという感覚をなるべく早く身に着けてほしいと思ったからです。「フォニックス」の項目でご紹介した「Letter Factory(文字の工場)」の次の段階のDVD 「Talking Words Factory (話すことばの工場)」

www.youtube.com

を息子に見せてみました。このDVDは “Letter Factory” でアルファベットにはフォニックス読みがあるということを理解した子供たちが、今度はアルファベット同士がくっつくと、単語に変身するということを理解するための教材です。主人公は “Letter Factory” に出てくるTadで、またもやアルファベットくんたちがいる工場へ出かけ、そこでQuigley教授に導かれながらどのように単語ができていくかを学んでいきます。このDVDはさすがに二歳児には難しいかなと思ったのですが、5回くらい見せた時点で、 “Letter Factory” についてきたアルファベットのカードを目の前で並べてみせて、「H・A・Tはハットだよ」と教えると、「そうか!」と少し理解し始めました。「D・O・G―ドッグ」など、わたしが並べたものを一緒に声に出して読んでいるうちに、音と文字が一致しているという感覚は少しずつ分かり始めてきたようでした。もちろんまだフォニックスの扉を開けたばかりの段階なので、ここからさきは長い道のりになりますが、アルファベットをつなげると単語になり、フォニックスで学んだ音を使いながらその単語を読むことができるということをぼんやりと認識し始めたことは、息子にとって大きな一歩だと思いました。

 

 SLA第二言語習得)理論の基本的な考えにおいては、言語の習得には一定量の音のインプットとアウトプットが欠かせないという大原則があります(Krashen 1982, Swain 1985)。耳で聞き取った音や単語、文章を実際に口にしてみるという両方の行為を通して、学習者は少しずつ英語を習得していきます。単語の発音をただ聴かせて覚えさせるだけでなく、それを使って簡単な会話をしてみることはとても重要です。例えば、子供に英語の絵本を読んであげていてCATが出てきたら、“C・C・CAT”と繰り返し一緒に発音をして、その後に“What is this?”-“CAT!” や“Do you like a cat?”-“Yes, I do”といったように、簡単な質問と答えの会話を行うことはとても効果があると思います。我が家では、絵本のなかで覚えてほしい単語はなるべく子どもと一緒に繰り返し発音の練習をして、そのあとに簡単な質問を付け加えるように努めています。忙しいときは一単語でもいいので、一緒に発音して簡単なやり取りを付け加えるだけでも効果があると思います。地道な努力が必要ですね。

 

References

 

Krashen, S. (1982) Principle and practice in second language acquisition. Oxford, UK: Pergamon Press.

Swain, M. (1985) Communicative competence: Some roles of comprehensible input and comprehensible output in its development. In S. Gass & C. Madden (Eds.), Input in Second language acquisition (pp. 235-253). Rowley, MA: Newbury House.

 

Sight Words (サイトワーズ)を幼児が楽しく学ぶには   Part2

Sight Words(サイトワーズ)を幼児が楽しく学ぶには Part2

 

 Part 1に書いたような前段階があり、2歳6か月くらいからサイトワーズ の本を寝る前に息子に読み聞かせる習慣を始めました。始めたころはどこまで興味を持ってくれるかわからず、おとなしく横で聴いていてくれるかわからないなと思いつつも、やるだけやってみようという感じで始めました。サイトワーズ についてはたくさん本が出ているので、アマゾンでレビューを読んだりしながら良さそうな本を調べて、 Scholastic の Sight Word Readers Parent Pack Learning the First 50 Sight Words Is a Snap!

shop.scholastic.com

 を購入しました。一冊に2つのサイトワーズが繰り返し出てくる8ページの本が25冊入っています。1ページに1行だけ文章が載っているので読みやすくて展開も早く、起承転結もあり、絵もかわいらしいので、子供も飽きずに一緒に読むことができます。子供たちが公園や様々な場所で登ったり降りたりしながら遊んでいくなかで “up and down”という単語を覚える本や、ママと一緒に食材を買いにお店を回っているなかで “we get” という単語を覚えてく本など、子供の日常に近い内容なので息子も親しみやすいし、想像がしやすいようです。短い本なのですぐに内容を覚えてしまうので、今日は5冊選んでと、自分で好きな本を選ばせて読んだりしています。自分で本を選ぶという行為の中で、以前に読んだときの内容を思い出し、内容を予測しながら読むという姿勢が身に付き、記憶の定着にも良いのではないかと思っています。

 

  読み聞かせの仕方としては、本の表紙にあるテーマとなる単語(例えば“up” “down”など)をまず指でさして “What does this ‘up and down’ mean?”(「upとdownはどういう意味だったけ?」)と話しかけながら読み進めていきます。子供が質問の意味が分からなかったら、身振り手振りで“up and down”と方向を指しながら教えるといった具合です。SLA第二言語習得)の研究においては、学習者は言語を様々な形の英語話者との対話‐言葉を一緒に繰り返して発音したり、分からない言葉の意味の確認をすること‐を通して学んで行くことがわかっています(Long 1983)。ただやみくもに文章を読んでそれを覚えなさいと子どもに教え込むのはあまり効果がないようです。簡単な英語でもよいので、大好きなお母さんやお父さんとの言葉のやりとりのなかで、わからないことをなんども聞き返しながら学ぶなかで、子供は言葉を効果的に習得できるのですね。

  

 続けて1ページめに“we go up”と文章があったら、それを指で示しながらゆっくりと文章を読み、絵に描いてある内容と文章が同じことであることを確認していきます。この本の最後のページにはテーマである単語が書いてあるボックスがあって、 “Which one is up? Which one is down?”(「どれがupで、どれがdownだっけ?」)というふうに子供に尋ねることで、子供が自分から単語を視覚的に識別できるようになっています。この方法をずっと続けているうちに、息子も「これはupとdownの本だよね」などと表紙を見ると自分で口にするようになり、好きな本の文章の一部分を自分で言ったりするようになってきました。Scholasticはレベル別のブック・セットをいろいろと出していて、わたしが最初に使用したものより上のレベルのセットもいろいろとあり、少しずつレベルアップできるようになっているので、これからも段階ごとに新しいセットで訓練していきたいと思っています。

 

 

References

Long, M.H. (1983) Native speaker/non-native speaker conversation in the second language classroom. In M.A.Clarke & J. Handscomb (Eds. ) On TESOL ’82: Pacific perspectives on language learning and teaching (pp.207-225). Washington, DC: TESOL.

Sight Words(サイトワーズ)を幼児が楽しく学ぶには Part1

 

Sight Words (サイトワーズ)を幼児が楽しく学ぶには   Part1

 

 息子に英語を教えようと思い市販の学習ツールを調べるようになってから、Sight Wordsという言葉をよく目にするようになり、英語圏では幼少期にサイトワーズをまとめて覚えることが一般的であることを知りました。これはフォニックスをある程度習得したこどもたちが、視覚的に覚えるべき単語の一群で、ネイティブの話者の生活には日常に頻繁に現れる言葉をセレクトしたものです。サイトワーズのなかにはフォニックスの法則からは外れた単語が多く、視覚と聴覚を通してある程度覚え込んでいくほうが効率的なためにこのようにグループ化されています。

  

 息子にサイトワーズ を教える前の段階では、単語を見てなんとなく覚えてくれるといいなと思い、英単語のカードやタブレットのアプリで絵と単語が描かれているものを使って教えていました。少し単語が頭に入ってからはLongman

Longman Young Children's Picture Dictionary を使っていました。これはページごとにテーマがあって、野菜の単語、動物の単語、お食事の時に使う食器などの単語、ピクニックのときに持っていくものの単語などが絵や写真と一緒にのっていてとても使いやすい本です。この本を使い始めたのが2歳2か月くらいの頃だと思います。この本にはCDもついていて、単語を歌いながら覚えられるようにもなっており、わたしも一緒に絵や写真を指さしながら歌うと息子も嬉しそうに聴いていて、いつのまにかある程度英単語を覚えていました。今思えば、このアクティビティで英単語が50~60くらいまで増えたのだと思います。SLA第二言語習得)の理論においては、学習者が不安感が少ないときのほうが言語を習得しやすいとされています(Krashen 1982)。お母さんと楽しく学ぶことは子供にとって学びやすい環境と言えますね。

 

 

References

Krashen, S. (1982) Principle and practice in second language acquisition. Oxford, UK: Pergamon Press.

 

 

 

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